クラック注入の目的
(有)ミヤモト工建 営業案内
エポキシ樹脂に依るクラック注入工事の工法とその目的
エポキシ樹脂はコンクリートと最もなじみの良いコンクリートの補修材料ですが
クラック注入工事にも様々な工法や目的があり、その目的に応じて工事方法は選択すべきであり、
一つの工法で全ての目的を処理する事は不可能です。
注入の工法 (拡大写真)
我が社の開発した注入工法で、構造クラック全体に注入し、
破損した構造物の強度を回復します。
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注入にはテトロン入りの耐圧ホースを使用して、注入ノズルは
3個以上に分岐します。
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注入には手動式のグリスガン又は必要に応じ大型のポンプも使用します。
施工範囲は0.3o以上の構造クラック。
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大量に注入する場合、必要に応じ、この様な器具を使用する場合もあります。
手動式の注入ポンプを使用した施工方法は、注入に熟練した職人の
技と判断を必要とします。
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しかし、エポキシ樹脂を扱える職人であれば、誰でも施工できる
工法として開発されたシリンダー工法
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同じように、日本で初めて注入ポンプと分離して、大量に
クラック注入工事が出来る工法として開発された
インゼクト工法
共に0.5o前後の収縮クラックの補修を目的としています。
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我が社の開発した狭いクラックをカットして、注入口を拡大する工法ですが、
この工法を併用すれば0.2o前後のクラックにも十分注入出来ます。
エポキシ樹脂クラック注入工事の目的
エポキシ樹脂注入工事の最大の目的は、コンクリート構造物に発生したクラックやジヤンカで
低下した強度を補強する事で、地震国日本の災害に備える為です。
無論、高速道路や鉄道等日々疲労の発生する部分を補強する場合もあります。
これらの写真は阪神大震災の時のものですが、私たちは自然の猛威を
完全に防ぐ事は出来ません。
しかし、最悪、この様な事態が生ずる前に、少なくともその一歩手前の
段階で、食い止める事が出来れば、それは成功、又は効果があったと
考えるべきです。
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原型は留めている様に見えますが、内部はバラバラで使用に耐える
状態ではありません。
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この程度の損傷であれば、補修して使用出来ます。
しかし、細かいクラックでも長期間放置すれば、クラックから
雨水が浸水して内部の鉄筋を腐食させます。
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腐食した鉄筋は内部で膨張し爆裂を引き起こし更に
被害を拡大します。
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この様な場合は、錆びた鉄筋周囲のコンクリートは全て
剥ぎ取り、鉄筋を防錆してから樹脂モルタルで補修します。
当初はクラック注入を考えていたのですが、震災後数年を経過して内部の
鉄筋が相当腐食している事が判明したので、剥ぎ取る事の出来る部分は
全て剥ぎ取って、エポキシ樹脂モルタルで補修する事としました。
斫り出して見ると内部の鉄筋は相当錆が進んでいて防錆して、
補修する必要があったのです。
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幸い、柱本体には損傷が無く、鉄筋の被り部分が錆びて
爆裂状態であったのです。
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この様な所にエポキシ樹脂の注入は出来ません。
注入すれば被り部分が剥落するだけで、錆びだらけの
鉄筋やその周囲に接着せず、補強の役には立ちません。
前記の施工箇所では地震の直接の被害はそれ程でも無かったのですが、
地震で発生した小さなクラックを放置した為、クラックから雨水が
浸透し、内部鉄筋が腐食して被害を拡大したものです。
これを防ぐ為に、小さなクラックもVカットしてコーキングします。
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所がそのコーキングも構造クラックの場合、常に小さな目に見えない
変動を続けていますので、やがて破損して、その効力を失います。
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これを防ぐ為には、最初からエポキシ樹脂の注入をしてクラックの振動を少なくしておく事が大切です。
エポキシ樹脂注入工事の実質的効果
接着効果
クラック内部にエポキシ樹脂を注入する事でクラックの両面を接着する効果を考える人もありますが、
それは殆ど、期待出来ません。
私たちがエポキシ樹脂工事を行う時には、必ず下地処理を行います。
時には、下地にレータンスや埃や泥土が付着している場合、丹念に
これを除去する必要があります。
しかる後プライマーを塗布します。
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これを怠ると、十分な接着効果は期待出来ません。
然るに、クラックの内部は塵や埃、鉄筋の錆び等が充満しています。
しかし、私たちはクラックの内部を清掃する事もプライマーを
塗布する事も出来ません。
コンクリートと鉄筋の補完関係
コンクリートの内部では鉄筋が縦横に埋め込まれていて、鉄筋は引っ張り強度を
コンクリートは圧縮強度を発揮して、お互いにその強度を補完する関係にあります。
しかし、コンクリートがこの様な状態になると、鉄筋は
コンクリートを補強する事が出来ません。
これは長期間、クラックからの漏水を放置した結果
鉄筋が錆びて、爆裂を引き起こしたものですが、
その他にも、鉄筋が十分に働かない場合があります。
例えばコンクリートの被りが少ないとか
コンクリートの充填が甘いとかの問題があります。
(説明図1.)
普通、私たちはコンクリート内部で鉄筋は図1.の様に
均質なコンクリートに覆われている状態を想像します。
しかし、実際には図2.の様に鉄筋の周囲に空洞がある
場合が多いのです。
(説明図3.)
実際にコンクリートにクラックが発生した場合、昔の様に鉄筋が丸棒でない限り
鉄筋は図3.の様にクラックの部分で細く成り切れてしまう筈ですが、実際にその様な
例は無く、鉄筋は全てクラックの幅だけコンクリートの中でずれているのです。
クラックはその様に鉄筋のずれ易い部分に発生するのです。
即ち、コンクリートにクラックが発生した場合、クラックの周囲の鉄筋はコンクリートの中で
必ずズレていますので、ズレた鉄筋の周囲には必ず空洞があります。
図4.の様に、クラックに注入されたエポキシ樹脂がこの空洞の中に浸透すれば、強力な
接着効果を発揮します。
楔効果 耐圧強度
これは旧国鉄線路下の歩道用トンネルですが、阪神大震災にも
殆ど無傷で耐えています。
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数千年の歴史を持つ工法で現在もローマ時代の遺跡が沢山残っています。
クラック注入工事の主たる考え方で、クラックやジャンカの
空洞に、エポキシ樹脂を充填する事で、隙間に楔を打ち込んだ様に
コンクリート建造物の動きを止めます。
無論、柱と梁等の交差する接合部分に生じた大きなジャンカなどは
時には100Lを超す空洞もありますので、予めミルク注入など
セメント系モルタルを充填する場合があります。
(説明図)ジヤンカや空洞の出来る所 (説明図)ジヤンカ
この場合、材料費の節減だけでなくエポキシ樹脂は数Lでも1カ所で硬化させると
発熱で、発泡してその効果を失うだけでなく発火する危険性があります。
(拡大写真) ミルク注入
この場合、必要なのは圧縮強度であり、接着強度はあまり関係ありません。
参考 圧縮強度 エポキシ樹脂 500〜1000kg/cu
セメントモルタル 300〜 500kg/cu
コンクリート 500〜1000kg/cu
エポキシ樹脂のクラック注入にも様々な目的があります。
中でも意外と多いのが、クラックから染み出す漏水を止める
事を求められる場合が多いのです。
しかし、これは注入剤の粘度で説明する様に1o以下の
クラックでは、エポキシ樹脂が注入された状態は気泡の方が遙かに
多く、その気泡の抜けた後は穴だらけで、水止めの役には立ちません。
無論、時には止まる事もあります。
しかし、それは偶然止まっただけの事で、エポキシ樹脂の注入で
クラックの漏水が止まるとは考えられません。
第一、0.1o前後のクラックからも水は滲み出します。
ウレタン樹脂の注入と混同しないで下さい。
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主任技師 大久保 晃